嚢胞性線維症とは?

嚢胞性線維症とは?

膵嚢胞線維症の診療の手引き(アークメディア)
より一部改変して転載
 嚢胞性線維症(cystic fibrosis)は、 cystic fibrosis transmembrane conductance regulator(CFTR)の遺伝子変異を原因とする劣性遺伝性疾患です。CFTRは全身の上皮膜細胞の主要なCl-チャネルですので、 遺伝子変異によりチャネル機能が障害されると、気道、腸管、膵管、胆管、汗管、輸精管の上皮膜/粘膜を介するイオンと水の輸送が障害されます。そのため、管腔内の粘液/分泌液が 過度に粘稠となり、管腔が閉塞したり、感染し易くなります。CFTRの両方のアレルに重度の変異があり、CFTR機能が5%以下に低下すると嚢胞性線維症を発症します。 典型的な症例では、生直後に胎便性イレウスを起こし、その後、気道感染症を繰り返し、膵外分泌不全による消化吸収不良を来たします。

 発汗の際にCl-の再吸収が障害されるため、Cl-濃度の高い汗が排出されます。これは嚢胞性線維症に特徴的な所見であり、確定診断に用いられます。

 嚢胞性線維症という名称は、Anderson(1938)が、脂肪便、胎便性イレウス、気道感染症を来たす遺伝性の疾患が、膵臓に嚢胞と線維化を示す (cystic fibrosis of the pancreas;膵嚢胞線維症)ことを報告したことに由来します。その後、病気の本体が、上皮膜を覆う粘液の異常であることが分かり、mucoviscidosis とも呼ばれました。現在は、一般的には、“pancreas”を除いて、cystic fibrosis(嚢胞性線維症)という名称が使われています。わが国では、小児慢性特定疾患に 「嚢胞性線維症」あるいは「膵嚢胞性線維症」として登録されているほか、「膵嚢胞線維症」として難病に指定されている。

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